2007年4月20日テキサス州ダラスビンテージギターショーレポート

30周年を迎えるダラスビンテージギターショーの会場の様子です。
会場は、ダラスダウンタウン近くにあるマーケットホールで開催されました。
30周年ということで、イベントコンサートも盛大で、土曜日のオープン時には長蛇の列が出来ていました。
しかし、ギターを持って売りに来ている人がほとんどいません、近年のダラスのショーの傾向で、イベント色が濃く、ビンテージギターショーとしてのバイ、セル、トレードが少なく、見物客がほとんどです。
展示も、ビンテージギターだけでなく、新品のフェンダー、ギブソン、PRS等のメーカー展示や、アクセサリー、グッズのブースが多く、幅広いお客様が楽しめるイベントとなっています。
ステージは4箇所あり、野外のステージが二箇所、ホール内のメインステージ、アコースティック、カントリー系ステージがあり、それぞれ有名ミュージシャンや地元のプレイヤーによるライブ演奏が行われています。
$20の入場チケットで、それらが見放題ですので、お客様には大好評ですよね。

入場者の中にはハーレーやビンテージカーで来た人もいて、アメリカだなーと感心させられます。

今回が30周年記念のため、夜のメインステージで、主催のマークポラック、ジミーウォーレスに、ポールリードスミスからカスタムギターのプレゼントがありました。
その後、PRSバンド、ジミーウォーレスバンドのライブが行われ、飛び入りで有名ミュージシャンも参加していました。

写真上、ポールリードスミス氏からマークポラック、ジミーウォーレスにギターを渡しているところ。
その後のジミーウォーレスバンドでギターを弾くトムマーフィー氏。

平均年齢60歳近い、ダラスミュージシャンによるセッションと、右の写真は、ナンシー岸田氏のステージです。
ドラムはもとエリッククラプトンバンドで活躍したジェイミー氏、なかなか雰囲気のあるステージでした。
この他に、エリックジョンソン、リックデリンジャー、ジムメッシーナ等、数々のミュージシャンがステージを勤めていました。

上左、ゲーリーバネット氏(右から二番目)も来場していました。フィラデルフィアーには必ず来るように念をおされました。
上中央、会場入り口にブースを持ち、持ち込みのギターを片っ端からチェックして買取しているノーマン親子、しかし、この日は本当に持ち込みが少なく、かなりご機嫌斜めでした。
アメリカ国内では、ビンテージギターの需要が多く、価格が高騰しており、アメリカの業者さんがとにかく買い付けに力をい入れています。
ノーマン、シカゴミュージック、カリフォルニアビンテージ、ギターブローカー、マットユマノフ、インターマウンテン等、良い楽器はかなり高くてもどんどん買い取っています。
それでも、今回はかなり厳しく、いつもあふれんばかりに買い付けるノーマン達のブースもガラガラでした。

珍しくバンジョーを持ち込んだおじさん、オリジナルの戦前もので、オファーを受けて値段を探るだけで販売する気はあまりないようでした。
この変なギターを自慢げに見せているおじさんは、この楽器の発売元です。
ビンテージドラムや小物の展示もけっこう見られました。

上左、毎回必ずいくつかはあるガラクタ専門ブース、そういう需要もあるんですね。
上真ん中、アコースティックの新品専門店のブース、テイラーとラリビーが人気です。
上右、ビンテージアンプのブース、アンプも実はかなり高騰しています。

ギブソンの新品アコースティックブース、トレイラーの中は試演スペースです。

左、オリジナルチャーリークリスチャンES−150とセットの150アンプ、オリジナルケースの貴重品、展示のみでした。
中、やっと見つけたJ−185オリジナル、と思ったらなんと日本に持ち込んだときの販売価格が260万円以上になるプライス!あきらめました。
右、オリジナル68年J−45RED、ダブ64年、ともにコンディションがイマイチでした。

数少ないアコースティックの貴重品ですが、あまりに高すぎて買えません。

フルアコギター、セミアコの展示が大変多いのもダラスの特徴でしょうか、価格はともかく、かなり良い楽器を見ることが出来ます。


ご存知のように、エレキの価格高騰はものすごいものがありますが、品物は大量にあります。
今回も、ストラト、テレ、レスポール等、希少なビンテージが驚くほど大量に展示販売されていました。
滅多に見れない貴重な楽器も、ひとつの会場でこれだけ見れるイベントは他に無いと思います。
しかも、コンディションが大変綺麗で良いものが多く、驚かされます。
3000万円以上のスタンダードから、レアカラーのフェンダー、これでもかと言わんばかりの豪華なギター達を撮影してきました。
これでも展示の一部で、実際にはさらに大量にありました。
また、一部の超高額品では、テーブルの下にしまっておいて、声をかけると特別に見せてくれることもあります。
特に解説は入れませんので、下の写真を見て楽しんでください。






























小物やビンテージパーツも多く、見るだけでも楽しいイベントではあります。

ショーのかなりのスペースを使ったPRSブース、新品はこの他にフェンダー、ギブソンがスペースを大きくとっていました。

ここ最近では、ビンテージギターは演奏を楽しむのはもちろん、富裕層の趣味と実益を兼ねた投機対象となており、コレクションとして大変需要が広がっています。
ほぼ二年で倍以上の価格へと高騰しており、ややバブルの様相を呈しています。
ビルゲイツをはじめとした、IT関連の成功者は、アメリカのポピュラー音楽を作り出して来た文化として、保存するためにコレクションしているとも言われています。
実際に、過去のポピュラー音楽のヒット曲を演奏してきた楽器は、ほとんどがフェンダーやギブソン、マーチンの名器達であり、アメリカ人の誇りでもあります。
それにしても、価格がクレイジーで、日本のユーザーにとっては迷惑な話ではあると思います。
アコースティックは、エレキほどの高騰ではありませんが、確実に高くなっているだけでなく、エレキと違ってほとんど良い楽器の売り物がありません。
日本は、まだまだ不景気感があり、決して良い楽器がすぐ売れる状況ではありませんが、アメリカのこの状況を見ると、良いビンテージ楽器は確実に入手が困難になってくると思います。
金利の低い今なら、長期クレジットで入手しておいても、後々後悔するようなことは無いと思いますがどうでしょうか?









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